“公共測量の届け出”手順のうんちく講座

アペオ技研mogeです。公共測量の届け出について一考です。

先日、電子基準点のみでの3級基準点測量の依頼があり、
公共測量の届け出も踏まえて、現地踏査を手伝ってほしいとの話がありました。

協議に向かうと、すでに発注者には書式および平均計画図を提出し、
捺印を頂く事務手続きが進んでいるとのこと。

――なぜ?
これから現地踏査を行う段階で、なぜ先に平均計画図を提出しているのか。

初回協議の段階で、すでに違和感のある状態でした。

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現地踏査および選点を行った結果、

・書類記載内容の再確認
・選点結果に基づく平均計画図の再作成
・そもそも本計画が国土地理院に受け入れられるかの事前相談

といった問題が発覚しました。

つまり、発注者に書類の捺印を頂く以前の段階で不備が露呈し、
結果として出直しとなってしまったわけです。

これは、測量作業機関としては、発注者に対して体裁の良い話ではありません。

今回の話は、現場の工夫や技術の話ではなく、
測量法に基づく公共測量の届け出という「法的な手続き」の話です。

本来、測量士という資格は、法令や規程を自ら読み解き、
判断できることを前提としています。
したがって、ここで記載する内容も、本来は制度から読み取れる範囲のものです。

ただ実務では、これが「なんとなく」で処理されてしまい、
結果として手順や判断を誤る場面をよく見かけます。

そこで、どこにも明確に書かれていない実務的な観点として、
今回のような条件(電子基準点既知による3級基準点測量)を前提に、
あくまでもmoge流ですが、公共測量の届け出手順を整理しておきます。

公共測量の届け出の実務手順】

.届け出が「発注者の行政文書」であることを整理する

公共測量の届け出は、作業機関が決定する以前でも提出可能な、発注者主体の行政文書です。

したがって、提出書類の記載主体は本来発注者であるという認識を、測量会社側も持つ必要があります。

この認識不足により、

・最大の失態は、工種が進んでしまってから届けを出す行為におよぶ
・履行期間を業務期間として記載してしまう
・測量に関する計画者氏名を主任技術者としてしまう
・そもそも論の勘違い 「測量作業機関」を必ずしも記載する前提の書類ではない

といった誤りが生じます。

とにもかくにも、測量会社は業務を受注したらこの手続きを最優先で行ってください。
現地が進んでからでは大幅な手戻りになる可能性もあります。

履行期間は業務期間ではなく、計画立案者も主任技術者ではありません。
あくまで発注者の指示により委任されているに過ぎません。

2.そのうえで、業務着手段階で「何を届け出るか」を発注者と協議する

発注者から設計書・特記仕様書を受領した段階で、どの工種までを公共測量として届け出るのかを必ず協議してください。

本来、測量法により、公共事業に該当する測量は公共測量の届け出が義務付けられています。

したがって、路線や用地測量のみ、工事測量であっても、その事業形態によっては届け出が必要となります。

この前提を理解していない発注者・測量会社は少なくありません。
よって実務では、発注者の意向により提出する工種を選定する場合も少なからずあります。

3.次に、既知点を確認する

既知点の確認は、作業規程第5条に基づき、本来発注者が作業者に提示すべき資料です。

しかし実務では、その意味が理解されず、作業機関に委ねられるケースが多く見られます。

そのため、主任技術者は規程上使用可能な既知点を、事前に机上で収集・整理しておく必要があります。

4.次に、現地踏査を行い設置条件を確認する

ここまでの準備を行ったうえで、やっと現場に出向けます。
現地踏査を実施し、新点の予定箇所を選点し、実際に設置可能な環境か、までを調査します。
これらの作業は簡単には終わりません。ときには数日から数週間を要す場合もあります。

特に重要となるのは以下の点です。

・各種の法的にその場所に設置して良いか
・埋設方式および設置条件
・地権者または管理者の確認
・土地の所有関係(必要に応じて公図・登記調査)
・承諾および占用の可否
・設置承認における書類の書式確認

必要に応じて役所や地権者、発注者との協議を密に行ってください。

間違われやすいのは、道路に簡易鋲を設置するだけだから うんぬん・・・
この場合でも法的手続きは本来は必要です。なぜなら、土地利用の形態は所管者が決めるものですので、その確認は本来は必要となります。

また、設置条件によっては、業務の仕様変更や契約変更が必要となる場合があります。
これを発注者が予算面も含めて受け入れ可能かどうかも、本来はこの段階での協議事項です。

ここまで実施して、はじめて踏査・選点行為が一つの区切りを迎えます。

5.その次に、国土地理院へ事前相談を行う

発注者へ書類を提出する前に、届け出先となる国土地理院に事前相談を行うのがベストです。
なお、国土地理院には管轄があるので、届出をする管轄の担当者に直接確認してください。

特に平均計画図については、事前に提示し、技術的な妥当性について助言を受けることが手戻り防止になります。

なぜ発注者より前に国土地理院に事前に相談をするのかは、もし 計画機関からの提出書類がなんらかの助言理由で受け取られないことが無いようにする安全措置です。

6.そして最後に、発注者へ書類を提出する

ここまでの工程を経て、はじめて発注者への正式な書類を提出し、国土地理院に提出する書類の捺印を受領する事務処理が、やっと行えることとなります。
その後、国土地理院にこの書類を届出しますが、承認を得るまでに概ね1週間ほどでしょうか。

この承認書、いわゆる「助言書」を受領したら、やっと 器材を現場に持ち込み
いざ!埋設・観測作業開始です。

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今回の内容は、制度としては特別なものではありません。
ただ、その実務的な順序や法的も含めた意味は、意外と共有されにくいものでもあります。

すべてを最初から理解できないと思いますし、その必要もないでしょう。
もし迷う場面があれば、そのときは一緒に考えればいい と思います。

もし、そういう場面がありましたら、それこそアペオ技研の出番ですね♪
mogeまで、どうぞお気軽にご相談ください。


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